アイドル評論家 中森さんラジオで『幕が上がる』話
本日、ニッポン放送『あなたとハッピー』にゲスト出演した、アイドル評論家・中森明夫さんが『幕が上がる』について熱く語ってくれていました(^^)
中森明夫の出演情報☆本日(金)午前8時~ニッポン放送『あなたとハッピー』にゲスト出演! ももクロ主演映画『幕が上がる』の魅力について語ります。美少女映画の注目作特集…又吉直樹の小説『火花』についても少し語れれば。ぜひ、お聴きください! #happy1242
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 2月 5
中森さんは1月に『幕が上がる』の試写を見た後にも、熱い感想ツイートをしてくれており、本広監督もリツイートするほど…(⌒-⌒)
本日のラジオでの中森さんの映画へ言葉を簡単にまとめてみました(´∀`)
簡単に映画の流れにも触れる部分がありますのでネタバレがいやな方はストップで…(^^)
ニッポン放送:あなたとハッピー
・中森さんの『幕が上がる』評
(中森さん登場 ももクロ話の部分)
この映画は凄いです、はっきり言って。僕はゼロ年代('00年代)から少女映画があると思っていて、今年はまずこれですよね。
ももクロといえば歌手じゃないですか。AKBと並んで今のグループアイドルブームを引っ張っている。
それが去年映画を撮っていると聞いて “えっ!!” と思ったんですよ。
アイドルグループが全員映画に出てっていう作品はそんなにない。
どんな手を使ってくるのかと半信半疑で試写会にいったんですよね。そしたらこれが素晴らしかった。
ももクロは撮影前に原作の平田オリザさんのワークショップを受けて、お芝居の練習をしている。
それだけじゃなくて4月には舞台をやる。
去年、僕はももクロちょっと地味かなぁと思ってたんですよ、新しい曲も出てこないし。
これをやってたのか、と。
『幕が上がる』はゼロ年代にあった『スウィングガールズ』『リンダ リンダ リンダ』『フラガール』と同じタイプかな~と思ったんですよ。
『幕が上がる』は演劇部のお話で…ももクロは一人一人が演技のプロではないじゃないですか。彼女達が役者として演技を学んでいくっていうのと、映画の中の演劇部の少女が演技がうまくなっていくのがシンクロしてる。
どんどん、どんどんイキイキしていくのが見えて、終わった後は涙と感動と…。
アイドル女優と、歌のアイドルはなかなか交わらないもの。
5年前の『告白』という映画でアイドル女優の能年玲奈、橋本愛が出ていたときに、AKBの音楽が使われていた。あれは、そういう意味でいうとアイドル女優と、歌のアイドルがシンクロしている。
『告白』は2010年代の少女映画を切り開いた所はあると思うんですよ。
『幕が上がる』では、ももクロ自身が歌い手としても役者としても…。
男の子が出てこないというのもポイント。
最近の映画のトレンドは “壁ドン映画” 。イケメンと女の子。
(たくさんの “壁ドン” 映画のチラシを前に)もう “壁ドン” はもういい(笑)
しかし映画は女の子に受けないとヒットしない。
だからイケメンをださないとプロデューサーは怖いんですよ。
だけどももクロって女の子に人気あるじゃないですか。だから心配いらないと僕は思った。
学園もので男の子が出てこないって、すごい冒険だと思った。
ムロツヨシさんしか出てこない(笑)
少女映画がよくなるポイントがいくつかある。
“たまごが上手い寿司屋は良い” みたいに、“温水洋一が良い顔してる少女映画は良い” っていうのがあった。この映画で言うと先生役の黒木華さん。
彼女が出て来てから映画が急に良くなる。
百田さんと黒木華さんのシーンで映画の雰囲気が変わる。
今の学園ものは、主人公とか絶対的な神がいないっていうのがテーマなんだけど、この映画では黒木華さんが神様としてももクロをどんどんひっぱっていく。
そしてももクロが映画の中でどんどんよくなっていく。
彼女達の中でも何かを変えたいという意識があるんでしょうね、アイドル史を。
(芸人のピース・又吉さんの作家活動について)
又吉さんはお笑いの人ですよ。それが純文学の小説を書く。小説の世界は厳しいですから、これから批評が出てボロボロに言われるかもしれない。(中森氏は絶賛)
ももクロだって歌、ステージをやれば国立も一杯にするくらいだから人気ですよ。
そこで映画をやる、芝居をやるっていうリスクを負ってジャンプするっていう覚悟がね、そこがポイントですよね。
ももクロがここまでのことをやった。
アイドルシーンにとっても大きな曲がり角だと思っている。
グループアイドルが定着した今、あたらしい方向をみんな見つけ出していて、そこでももクロが映画・演劇に出て来たっていうのが、ものすごい面白いと思っています。
演劇もどうなるのか気になるが、とりあえず今月のももクロの『幕が上がる』を見ない事にはアイドル・少女映画の幕が上がらないですよ。
(中森さん 出演終了)
・アイドル評論家 中森明夫さん 試写後のツイート(1/24)
幕上1)ももクロ主演映画『幕が上がる』の試写へ。素晴らしかった! 女子高演劇部の物語はゼロ年代のチーム女子映画(スウィングガールズ、フラガール等)の少々古いフォーマットだが、ももクロメンバーらの溌剌とした演技が実に新鮮だった。(続く
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
幕上2)2010年の映画『告白』がアイドル女優(橋本愛+能年玲奈)とAK48の交点となったように、明らかに『幕が上がる』はアイドルと女子映画シーンを結ぶ2010年代の大きな画期となるだろう!(続く
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
幕上3) ももクロ主演『幕が上がる』では新任教師・黒木華の登場場面から、パッと空気感が変わる。百田夏菜子が言うように「神が現れる」のだ。『桐島、部活やめるってよ』の桐島=キリスト…と思ったら、脚本は『桐島』の喜安浩平! 『幕が上がる』は『桐島』以降の青春映画の傑作だ!!(続く
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
幕上4)2010年代の青春映画シーンは『桐島、部活やめるってよ』が画期となった(中森明夫による『桐島』評→http://t.co/kgRE9AJx5C <桐島(=絶対者)のいない世界で僕らはいかに生き延びてゆくか?>の主題を『桐島』以降の青春映画は共有している(続く
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
幕上5)『幕が上がる』は、ももクロ(人間)と黒木華(神)の火花の散る協同と対決の映画だ。この映画の主題は、神様のいない世界で女の子たちはいかにして絶対的なものをめざすか? である。それはソロアイドル(神)が絶え、グループ(民衆)全盛の現在のアイドルシーンの主題でもある(続く
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
幕上6)この映画の原作者は神なき時代=静かな演劇の平田オリザ。本広克行監督がその哲学を具現化する。宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の引用は暗示的。光の速さで膨張する宇宙の果てに人間は行きつけない。でも、そこへ行く切符だけは持っている…。この映画は切符を握りしめた女の子たちの物語だ(続く
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
幕上7)『幕が上がる』には男子が、イケメン男優が一人も出てこない! 壁ドン映画全盛の今に、恋愛がまったくない…画期的だ! つまり神なき、恋愛なき世界で少女たちはどこまで跳べるか? その主題を具現化するのは、女優=ももいろクローバーZでなければならなかった(続く
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
幕上8)この映画を観て私は2010年代のアイドルシーンの意味をはっきりと了解した。<神様のいない時代に女の子たちはいかにして絶対的なものをめざすか?>…。『前田敦子はキリストを超えた』の著者・濱野智史氏とこのへんを語ってみたい(続く
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
幕上9)『幕が上がる』は映画版の後、ももクロ主演・平田オリザ脚本・本広克行演出で演劇版が上演される! 映画と演劇とアイドルシーンを横断する2010年代半ばの大きな転換点となる予感がする。そこから何が始まるか? 「幕が上がる」のはこれからだ!!(終り
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
ももクロ主演映画『幕が上がる』と又吉直樹の小説『火花』に共通するのは、この時代に何かをめざす若者たちに共有の「切なさ」だな。もう絶対的なところへは行きつけないんだ。わかってる。でも上を見ないでは生きられない、そんな種類の奴ら…「切ない」生き物たちの物語。
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
〈ももクロ主演映画『幕が上がる』と又吉直樹の小説『火花』に共通するのは、この時代に何かをめざす若者たちに共有の「切なさ」だ〉…ももクロは映画に、又吉は小説に越境した(跳んだ!)。厳しい批評にさらされる勇気と覚悟を感じる。勇気と覚悟と跳躍のない表現にはもう感動しないな…。
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
批評家の使命は「価値を判定する」こと。未知の表現に対して。ももクロの映画『幕が上がる』も又吉直樹の小説『火花』もまだ価値が定まっていない。私は両者はとても重要な作品だと評価した。間違っているかもしれない。批評家の評価は後に歴史に判定される。批評家に必要なのは「勇気」なのだ。
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2015, 1月 24
公式サイト:幕が上がる
関連リンク
2/14発売『Momoiro Clover Film Z 映画「幕が上がる」 ももクロ オフィシャル・フォトブック』
コメント
コメント一覧 (44)
また、新たな世界を堪能できるという期待で、今からドキドキです。
あまりに推されすぎて逆に大丈夫か?とも思う。
www.momoclo.net/pub/pc/information/?id=1546
【一般発売抽選 第2弾前半/第2弾後半 受付期間】
2/6日(金)20:00~2/8(日)23:59
※先着順での受付ではございません。
今回は前半と後半があり、別々に受付なのでお間違えなく
上映館は多いので、とれそう。
公式案内:「ももクロどんたく」について
www.momoclo.net/pub/pc/information/?id=1570
詳細は…まだでした
第2弾前半:2/24(火)~3/1(日)の映画館
第2弾後半:3/6(金)~3/10(火)の映画館
第3弾:3/13(金)~3/15(日)の映画館
こちらは2/16(月)15:00~2/18(水)23:59なのでしばしお待ちを
公式案内:2/10実施「川上アキラのオールナイトニッポンR(アール)」イベント内容変更のお知らせ
www.momoclo.net/pub/pc/information/?id=1571
パーソナリティーをkwkmさんに代わって推され隊が務めることになりました
アイドルなのに一つの映画をここまで本気で大切に作り上げてきたももクロってやっぱり何か違う。
今の若いアイドルは流れに身を任せる人が多いから、ももクロの自分達で変えようとする努力が凄い。
楽しみですが、褒められすぎて、ちょっと不安でもあります。
時間までに行ける。
チケット代もあるし、翌日の横アリのチケットもある。
なのに前日のチケットが無いよ。
・゜・(つД`)・゜・
行く方は思いっきり楽しんできて。
そして推され隊に自分の分まで熱いエールを頼みます。m(__)m
良かったらレポよろしく。
多分、泣く!みっともないくらい泣く自信がある!上映がおわって、映画館が明るくなるのが怖い!!
本広監督が、ももクロちゃんたちが女優として全力を出せるフィールドを用意してくれていた事実が、愛情をもって力いれてるのがわかります。
映画撮ってないで本職の音楽活動に力を入れろと思ってる人も実際いるね。
あと、他のアイドルと比べるのはやめよう。他のアイドルをももクロと同じくらい追ってるならまだしも、あまり詳しくないならやめておくべき。
>ももクロの自分達で変えようとする努力が凄い。
ももクロが自分達で仕事の内容考えてるわけではないだろ
例えば今回のキャンペーンにしても、映画会社や所属事務所が話し合った上での企画であって、ももクロは仕事としてそれに従ってるだけ。
ワゴン車に乗って、ETC1,000円で高速道路移動して、車中泊して、家電量販店でライブしてたのも、別に自分達が考えたわけではなく、事務所の指示に従っただけ。
まず運動系の呼吸と歌でのブレスのタイミングは全く異なるので、通常はほとんど不可能なくらいなパフォーマンスをやってのけている5人。
それもライブでは20曲以上も。
それで個人的見解では勿論アイドルとかそんな枠でなく芸能の歴史上でも特別素晴らしいタレントだと見出だしたのですが。
ライブでは特に宣伝をうたなくても五万規模の人々を感動させる実力に対して、いまだにアイドルとか軽く扱ってるのは信じられないです。
ライブアーティストとしても女性では日本最高峰で、原点からの女優としてのレッスンはもう五年以上、舞台やスクリーンでも輝かないわけありませんよ。
川上さんが発声の面と、顔の表情を含め全身表現も磨きあげてきたことは正しいが、普通には出来ないことをシッカリできる5人がいるからこそ可能なだけで、それが理解できていればももクロを高く評価するのは当たり前だと思います。
他から作られたモノではなく、個々が自分自身で人の魅力を形成してきた素晴らしい人格ですから、幕が上がるでは5人主役てきな名シーンがそれぞれ数多く出てくるはず、そのために何回も観に行く予定なんですよね。
ライブなど映像でも音からでも何回リピートしても感動や良いものが見えてくるのは、ひとえに5人がみんな個別に素晴らしいから以外ないと思っています。
作りならすぐにわかるような浅いモノだが、高城れに百田夏菜子有安杏果玉井詩織佐々木彩夏、ももクロの人間的な深みはやっぱり本物ですね。
自分たちで「私たち、今あえるアイドル」と言って、♪ 我らは~アイドル~♪ と歌ってるんだから、それを否定する必要は無いかと・・・。
本広監督も「アイドル映画」と言ってますので。
そこで映画をやる、芝居をやるっていうリスクを負ってジャンプするっていう覚悟がね、そこがポイントですよね。
これがももクロ。
変わらずライブやって曲出していれば
マイナスはないだろうけど、ここで攻める、チャレンジする姿勢を忘れないだからももクロは凄い。無難に楽な方を選ばないだから心打つ、背中押される。
タレントとマネジメントの仕事を混同しているね。
kwkmも言っているように、ももクロは自己プロデュースだよ。
仕事の度に考え、試行錯誤して行ってきた事と、その結果を軽視すべきではないね。
これをももクロがやったら大号泣に決まってんじゃんか!
意味がわかんない。
夏菜子が「制作の会議に参加させてほしい」って言ってたから、いわゆるプロデュースには直接関わらせてもらえなかったんじゃないの?
いろんな企画も、ライブの会場も、演出も、セットリストも、考えるのは結果的にスタッフでしょ。
国立競技場ライブの時に、初めて制作会議に参加させてもらったようだけど。
同日公開で同じく高校生の部活動をテーマにした「くちびるに歌を」が倍の259館。
映画はほぼ初動で決まっちゃうからこのハンデはキツい。
世間的にはコケたと言われるかも知れないが興行収入3億越えれば大成功と言ったところか。
みてからきめろ!
人気者が出て良い映画でもこうだから難しいよね
つまり「幕が上がる」が「くちびるに歌を」の興行収入の半分以上を獲得すれば実質勝ちってことだな!
いやそんな単純な話ではないですね、はい…。
国立の向こう側
こんなに奥行きがあるとは・・・
見事に予想を裏切ってくれる!
映画も舞台も見てないのにこのワクワク感!
失敗を恐れる向きもあるけど
失敗しようが落ちぶれようが
この娘達 又路上から始めそう
たまらんなぁ~
言われるとおりにやっていて国立や日産は満員に出来るなら
この国にはスーパースターやトップアイドルだらけになる
ももクロの成功物語は人間の成功物語の象徴
人ってやっぱり性格なんだ
「ももクロが自分達で仕事の内容考えてるわけではない」というのは正解。他のスーパースターやトップアイドルも、別に自分達で仕事の内容考えてるわけではない。
無名のビートルズを世界へと導いたのは、ブライアン・エプスタインというマネージャーの尽力が大きい。
某アイドルグループはAさんという名プロデューサーのプロデュースによって国民的アイドルになった。
自分達で自分達のいろんなことプロデュースしてるのは「EXILE」や「ゴールデンボンバー」。それぞれ、HIROや鬼龍院翔を中心として。
スーパースターやトップアイドルになるのは、努力とタイミングと奇跡。
○○やって売れただけって難癖は「じゃあももクロ出てくるまで何してたの皆さん?」って強烈な皮肉にしかならない
ももクロの足跡の一歩一歩がアイドル史を更新してることを
「○○やって売れただけ」って難癖が、どこに書かれてるのかもわからない。
文字起こしありがとうございます。
聞いていないので助かります!
ツッツク ツッツク ツッツク コメント フォ~!