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 アイドル評論家 中森さんラジオで『幕が上がる』話

本日、ニッポン放送『あなたとハッピー』にゲスト出演した、アイドル評論家・中森明夫さんが『幕が上がる』について熱く語ってくれていました(^^)


中森さんは1月に『幕が上がる』の試写を見た後にも、熱い感想ツイートをしてくれており、本広監督もリツイートするほど…(⌒-⌒)
本日のラジオでの中森さんの映画へ言葉を簡単にまとめてみました(´∀`)
簡単に映画の流れにも触れる部分がありますのでネタバレがいやな方はストップで…(^^)

ニッポン放送:あなたとハッピー
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・中森さんの『幕が上がる』評
(中森さん登場 ももクロ話の部分)
この映画は凄いです、はっきり言って。僕はゼロ年代('00年代)から少女映画があると思っていて、今年はまずこれですよね。
ももクロといえば歌手じゃないですか。AKBと並んで今のグループアイドルブームを引っ張っている。
それが去年映画を撮っていると聞いて “えっ!!” と思ったんですよ。
アイドルグループが全員映画に出てっていう作品はそんなにない。
どんな手を使ってくるのかと半信半疑で試写会にいったんですよね。そしたらこれが素晴らしかった。

ももクロは撮影前に原作の平田オリザさんのワークショップを受けて、お芝居の練習をしている。
それだけじゃなくて4月には舞台をやる。
去年、僕はももクロちょっと地味かなぁと思ってたんですよ、新しい曲も出てこないし。
これをやってたのか、と。

『幕が上がる』はゼロ年代にあった『スウィングガールズ』『リンダ リンダ リンダ』『フラガール』と同じタイプかな~と思ったんですよ。
『幕が上がる』は演劇部のお話で…ももクロは一人一人が演技のプロではないじゃないですか。彼女達が役者として演技を学んでいくっていうのと、映画の中の演劇部の少女が演技がうまくなっていくのがシンクロしてる。
どんどん、どんどんイキイキしていくのが見えて、終わった後は涙と感動と…。

アイドル女優と、歌のアイドルはなかなか交わらないもの。
5年前の『告白』という映画でアイドル女優の能年玲奈、橋本愛が出ていたときに、AKBの音楽が使われていた。あれは、そういう意味でいうとアイドル女優と、歌のアイドルがシンクロしている。
『告白』は2010年代の少女映画を切り開いた所はあると思うんですよ。
『幕が上がる』では、ももクロ自身が歌い手としても役者としても…。

男の子が出てこないというのもポイント。
最近の映画のトレンドは “壁ドン映画” 。イケメンと女の子。
(たくさんの “壁ドン” 映画のチラシを前に)もう “壁ドン” はもういい(笑)
しかし映画は女の子に受けないとヒットしない。
だからイケメンをださないとプロデューサーは怖いんですよ。
だけどももクロって女の子に人気あるじゃないですか。だから心配いらないと僕は思った。
学園もので男の子が出てこないって、すごい冒険だと思った。
ムロツヨシさんしか出てこない(笑)

少女映画がよくなるポイントがいくつかある。
 “たまごが上手い寿司屋は良い” みたいに、“温水洋一が良い顔してる少女映画は良い” っていうのがあった。この映画で言うと先生役の黒木華さん。
彼女が出て来てから映画が急に良くなる。
百田さんと黒木華さんのシーンで映画の雰囲気が変わる。
今の学園ものは、主人公とか絶対的な神がいないっていうのがテーマなんだけど、この映画では黒木華さんが神様としてももクロをどんどんひっぱっていく。
そしてももクロが映画の中でどんどんよくなっていく。
彼女達の中でも何かを変えたいという意識があるんでしょうね、アイドル史を。

(芸人のピース・又吉さんの作家活動について)
又吉さんはお笑いの人ですよ。それが純文学の小説を書く。小説の世界は厳しいですから、これから批評が出てボロボロに言われるかもしれない。(中森氏は絶賛)
ももクロだって歌、ステージをやれば国立も一杯にするくらいだから人気ですよ。
そこで映画をやる、芝居をやるっていうリスクを負ってジャンプするっていう覚悟がね、そこがポイントですよね。

ももクロがここまでのことをやった。
アイドルシーンにとっても大きな曲がり角だと思っている。
グループアイドルが定着した今、あたらしい方向をみんな見つけ出していて、そこでももクロが映画・演劇に出て来たっていうのが、ものすごい面白いと思っています。
演劇もどうなるのか気になるが、とりあえず今月のももクロの『幕が上がる』を見ない事にはアイドル・少女映画の幕が上がらないですよ。
(中森さん 出演終了)

・アイドル評論家 中森明夫さん 試写後のツイート(1/24)
公式サイト:幕が上がる
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